〜ポケトークが「言葉の壁をなくす」世界を本気で目指す理由とは 〜
2022年10月1日
日本のポケトークメンバーが語る、入社の決め手や製品への想い。そこに流れているものはUSメンバーたちとまったく同じです。文字通りのグローバル・カンパニー、それがポケトークです。
ユーザー体験から確信へ変わった、ポケトークへのコミット
ーーー 世の中に数多くの企業や製品がある中で、あえて「ポケトーク」で勝負しようと思った理由を教えてください。
石山: 私はポケトークが分社化する前から長らくソースネクストに関わっていましたが、端的に言って、製品に無限の可能性を感じているからですね。
実は私、ポケトークのCOOという立場にいながら、英語が全然話せないんですよ(笑)。なので海外出張のときは、ポケトークを持ち歩いています。そうするとビジネス現場ではもちろん、例えばベトナムなど英語圏ではない地域のレストランでも「辛さを控えめにしてください」みたいな会話ができてしまうわけです。こうした言語ストレスがゼロの体験は、世界中にニーズがあるだろうなと。
若山: 僕はアメリカ留学や、米系消費財メーカーでシンガポールに2年出向した経験があります。ポケトークにはもともと外部コンサルタントとして関わっていたのですが、「言葉の壁」を越えられない苦しさと、越えられた凛々しさをどちらも身をもって知っていたので、最初からミッションへの思い入れは強かったです。
事業面で言うと今のポケトークは、NASDAQ上場など、更なる飛躍を見据えています。世界を変えられるようなプロダクトにグローバル市場で関われるチャレンジは、人生において何度も巡り合えるわけではないので、CMOとしてポケトークにコミットすることに迷いはありませんでした。この挑戦が過去の自分も救うような気持ちもあり。
石山: そうそう、私たちが感じた「言語の壁」に悩んでいる世界中の人を、ポケトークで救いたいですよね。あと5年後くらいには、ポケトークを使いたいと思った時に、世界中いつでも誰でも手に入れられる世界にしたいと邁進中です。
単に「作る」「売る」だけではない、ポケトーク製品に込める譲れない想い
ーーー ポケトークの開発およびセールスに関わっている皆さんは、ポケトーク社や製品にどのような面白さを感じていますか?
川竹: CTOとしてポケトークを開発し続けている身としては、世界中がターゲットになるマーケットの広さと、創作欲を十分に満たしてくれる「難しさ」が原動力だと思っています。
翻訳機としての機能が充実しているプロダクトは、今後いくらでもリリースされるでしょう。ですが、ポケトークが目指しているのは「最強の翻訳機」ではなく「あらゆる言葉のアクセスに対してストレスがなくなる世界」です。そうしたときに私たちが生活の中で本当にストレスなく使えて、かつ人々の行動をより良いものに変えさせる製品を創るのってとても難しいんです。
無意味に機能をつけすぎないシンプルさ、見よう見真似で誰でも使える操作性、会話を邪魔しないくらい速い翻訳レスポンスなど、こだわっている部分は細部まで尽きません。将来的に様々な可能性があると思いますが、そのときある技術を駆使した最適解を常に模索していかなければいけない。だからこそ、このプロダクトに責任を持って良くしていきたい想いが強いです。
渡辺: 僕は開発された商品を売る立場にありますが、常に意識しているのは、ポケトークに価値の代名詞をつけることです。
ポケトークは、機能や性能だけに目を奪われてしまうと「便利な翻訳機」と説明できてしまいます。ですが実際に端末が使われている現場に目を向けると、もっと本質的な社会的意義や価値が見えてくるんです。例えば、各国でのメイン言語を話せない人々が就労支援を受けられるようにする「人権尊重ツール」、学校で外国人の子どもとコミュニケーションを取りやすくする「教育ツール」といった具合に。
ポケトークってどんな製品なの?と聞かれたときに、単に製品を販売するのではなく、どんな用途で使われるのか、どんな本質課題の解決になっているのかを、しっかりとソリューション化して魅せることが重要だと思っています。
中谷: 確かに、お客さんの声を聞く機会は多いですよね。僕は2019年頃からポケトーク開発チームの強化に携わっていますが、どういったところで使いたいという前向きな意見も多くいただくので、手前味噌ですが改めて良い製品なんだなと実感しています。
あとは参画当初10名ほどだった開発チームが、今では60名ほどに増えており、全世界をターゲットにしているビジネスの速さも感じています。
資金調達しながらスタートアップライクなところと、ソースネクストという大手がバックについているどっしり構えたところのミックスが独特で面白いですね。
「言葉の壁」がなくなった先に描く世界とは?
ーーー ポケトーク社のミッションに「言葉の壁をなくす」とありますが、それが達成されたらどうなると思いますか?
ヒョウ: 私は大学時代に日本語を勉強して、何年もかかって言語を習得する大変さを身をもって経験しました。日常生活の中で「言葉の壁」があるからできないことって結構あるんです。
例えば海外旅行で、ホテルにチェックインをする時の会話はできても、街中の洋服屋さんの店員さんや、公園のベンチに座っているおじいさんと会話を楽しめるかというと、その土地の言葉を知っていないと難しいですよね。
それがポケトークがあることで一対一で交流できるようになると、その街に住んでいる人のことがもっとわかる。国に対する印象よりも、人に対する印象が強くなる。そうすると世界中の人が言葉一つでお互いの理解を深められるようになる。そんな優しい世界が実現するのではないかと思っています。
若山: 僕は、すべての人がポケトークを当たり前に知っている世界を描いています。日本ではそこそこ知名度も上がってきましたが、ようやく海外旅行などの個人利用だけでなく、ビジネスシーンにも浸透してきたところで、目指しているビジネスフェーズで言うとまだまだ序盤です。
「●●の課題があるから、ポケトークで解決しよう」ではなく、「ポケトークがあるんだから、●●をしてみよう」とユーザー主体の武器となってアイディアが生まれる世界を実現したいです。
先が見えない大海原だからこそのチャレンジもあるのですが、同じ船に乗っている者同士、チーム一丸となっていい旅路を楽しんでいきたいですね。